院長ブログ

  • 超大型犬 子宮蓄膿症 避妊しましょう

    2020.10.17 | 院長ブログ | comment:0

    子宮蓄膿症だった大型犬の子が無事退院しました

    子宮蓄膿症といえば結構メジャーな病気でありふれた病気ではありますが

    大型犬 特に30キロとか越えてくると話は別

    格段に難しくなります

    たしか通常の避妊手術でも大型犬では30%くらいの術後出血があるって論文があったはず

    年取ってくると脂肪やら靭帯やら結紮部位について格段に太くなるので更に結紮が難しい

    おまけに炎症やら何やら

    何とかの法則(名前忘れた)に従って締める糸の輪が大きくなればなるほど半径の2乗に反比例して締める力が弱くなるのと糸のグリップ力が効かなくなるのが原因

    当方 ベンチプレス130キロ

    たぶん日本で有数の結紮力やと思うんですが

    それでも一発目は跳ね返され(糸のグリップ力が足りなかった)

    特殊な変法締め上げで締め上げて無事終了

    退院となりました

    避妊去勢の特集の載ってる雑誌は全部目を通してるんですが

    最近の特集でも小型犬でどうするかは超得意げに書いてあって

    結びに、大型犬は苦労してます

    皆さんどうしてますか?

    みたいな終わりでした

    最高で65キロのゴールデンのやった事ありますが

    高体温で腹腔内脂肪は溶けて結紮糸は滑るし、結紮した所から油が出てきて油まみれ

    手袋を変えながらの手術

    しんどすぎて

    もう二度とやりたくありません

    若いうちは比較的楽です

    大型犬の避妊手術は若いうちにしてください

    獣医からの勝手なお願いです

     

     

     

     

  • 夜の見回り

    2020.10.10 | 院長ブログ | comment:0

    昨日は入院もいたので筋トレしながら夜遅くまで病院に

    そしたら夜11時に裏口のドアをガチャガチャやる音が

    風かと思ったけど

    風除けの小屋があるし・・・

    当院の診察は七時半まで(新患、セカンドオピニオンははもっと早くこいよ

    夜の救急はやってません

     

    怖いじゃん!!

     

    足も8割がた治ってきたので

    いざとなったら

    骨折の呼吸

    壱の型

    松葉杖フルスイング

    おみまいします!!

    来ちゃだめよ

     

  • 本屋へ

    2020.10.8 | 院長ブログ | comment:0

    昨日は休診、お昼に大型書店へ専門書を見にいきました

    市内には数は少ないですが獣医専門書が置いてある本屋があります

    一通り見て

    医学書コーナーへ

    ご存じの通り獣医は全科診療

    お医者さんの様にサル🐵だけ見てるわけではなく

    色々な動物の色々な部位を見なければならず

    それぞれ動物によって結構バリエーションが違うので

    どっちかと言うと比較医学と言ったほうがいいんじゃないか?

    と個人的にはおもってます

    まあ、でも

    サルでどうやってるのか

    参考になるので必ず医学書コーナーへ

    買ったのがこれ

    薄いし結構アグレッシブな本でしょ

    分厚い本も買おうかと思ったのですが

    重たいし、コロナの下置いてるのを買うのはどうかと思って却下

    本当は本屋さんのために店舗で買わないといけないのですが

    足が痛いので却下

    犬猫と人の皮膚では解剖学的に結構異なるので参考程度ですが

    読んでみます

     

     

     

  • 御献体をやっとお返しできました

    2020.10.6 | 院長ブログ | comment:0

    今日、お預かりしていた御献体を火葬

    ようやくお返しできました

    恐らく現在、愛護法その他の問題で

    獣医師の、特にワンちゃんの献体解剖は難しく

    知る限り僕も知らない闇のルートに頼るか、アメリカに実習に行くかしないと難しいのが現状です

    どれくらい難しいかと言うと

    僕の学生時代、約20年前

    外科実習時に(それすらもコンプライアンスの問題で実習時間の制限がある中)

    当時の外科研究室の助教授が

    「悪いな、悪いな、ちょっと確認させて」

    と学生の実習を止めさせてまで解剖学的構造を確認して写真撮って

    その撮った本人しか分からんような写真が

    数年前のセミナーでまだ現役で使われているという

    そんな感じです

    どこか解剖学研究室に所属すればいいじゃないかとか、模型でいいじゃないかとか思われるかもしれませんが

    ホルマリンで固定してしまうと、蛋白が変性してしまい

    手術時に必要な膜の解剖が失われてしまうので

    タイミングと時間との勝負となり

    相当に準備しても

    一日17~18時間以上

    ぶっ通し

    夜通し休憩なしで実施して

    それを何日も実施することになり

    そうなると休日しかできず

    またコロナ禍や私事の骨折など色々あり

    お返しが遅くなりましたが

    無事お返しできてホッとしました

    今回の経験は獣医師人生の中で貴重な経験でした

    今後、より多くの動物を救っていく所存です

    有難うございました

     

     

  • 久しぶりにセミナーに参加してきました

    2020.10.2 | 院長ブログ | comment:0

    久しぶりにセミナーに参加してきました

    診察は通常通り

    突然思い立ったので、当日参加で入場できるか分からず

    最悪心斎橋を散歩して帰ろうと思って行ったのですが無事OK

    こんな時期にと言われるかもしれませんが

    人数制限などの会場自体のコロナ対策はもちろんの事

    個人的にもN95マスク着用、アルコール、 AP水持参での参戦 花粉症用メガネ着用

    隙はありません

    セミナーじゃないと分からないこともあります

    実習は消化管の側々吻合

    コロナ前は和気あいあいで話ながらやってたのですが

    さすがにみんな無言で黙々

    こういう新しい生活様式もあります

    コロナめ

    小汚い居酒屋とか行きたい

     

     

  • 免疫介在性血小板減少症 検診

    2020.9.29 | 院長ブログ | comment:0

    今日は免疫介在性血小板減少症の子検診でした

    と言っても発症は2年半前

    現在も免疫抑制剤を内服していますが、まだまだ元気です

    免疫介在性血小板減少症とは血小板が少なくなって血が止まらなくなる病気で

    この子の場合は血小板がほぼ0の状態になってしまい、大量の免疫抑制剤を投入、二度の輸血、胸水も貯留、最終的にはPCV(貧血の度合い、普通40パーセントくらい9)も10%まで追い込まれて

    ICUで高濃度酸素下で約2週間

    点滴ラインを死ぬ気で管理した

    激闘のサバイバーですが今は元気です

    こういう子が入院でいると、こちらも死んでしまいそうになりますし

    助かるときも助からない時もありますが

    プロとして坦々と打つべき手を打ち

    全てをコントロールして

    命をつないで

    治療を組み立てていきます

    こういう戦いに必要なのは技術も必要ですが、飼い主さんの協力が不可欠です

    よくインフォームドコンセント、満足の治療とか言われますが

    僕はインフォームドコンセントとは

    満足のためだけではなく

    治療を円滑に進めるためにインフォームしてコンセント(同意)をとる

    そういうもんだと思ってます

    言葉の足らん人間ですが

    戦うときは徹底的に戦います

    ご信頼ください

  • 普通に歩けるようになりました

    2020.9.24 | お知らせ, 院長ブログ | comment:0

    昨日は自分の整形外科再診

    先生のオッケーが出て普通に歩く許可が出ました

    サポーターがデカくて

    合う靴がまだないので変なスリッパ履いてますが

    全開バリバリです

    もうフック船長とは呼ばせません

    ご迷惑おかけいたします

  • 晴読雨読、しかして本棚ぶっ壊れる

    2020.9.8 | 院長ブログ | comment:0

    ギブス外れて一週間

    3分の1加重は許されていますが、フル加重許されず

    筋トレもままならず

    しても足が効かないので片足スクワットなら半分(片足のみ)

    ダンベルフライ 懸垂のみ

    暇なので本と教科書読むしかない

    というわけで教科書と、最近は確率を復習しています

    本当はベイズ統計やってますとか、かっこいい事言いたいんですが

    もう場合の数からズッポリ忘れてしまっているのでやり直しです

    というか、どうやって獣医になったの?と聞かれる学校で

    2か月前にやらされた数学の宿題の解き方聞きにいったら、土日挟まずに

    「ちょっと3日待ってくれ(調べてくるから)

    っていう数学教師が

    「おまえらの行く学校なんかこんな問題でねーんだから要らねーんだよ、解散!!

    つってカリキュラム終わらんかったっていう状態だったので

    卒業して予備校で自習した付け焼刃

    合格した喜びで一瞬にして忘れてしまいました

    そんなこんなで本読んで本棚に入れていったら

    本棚

    崩落!!

    専門書の重みに耐えかねたようです

    なんか膨らんでるなとは思っていたのですが

    中国のビルじゃないんだから勘弁してほしいです

    しばらく平積み

    従業員のみなさんご迷惑おかけいたします

     

  • 食道カテーテル 続き エルド装置

    2020.9.7 | 院長ブログ | comment:0

    外国に注文していた薬や器具が届きました

    なかなか来ないので、問い合わせたらホノルルの郵便局あたりをほっつきあるいていたらしい

    メールで再度ロックダウンになったとの連絡もきていたのでまあしょうがないですね

    薬はまあいいいとして今回手術器具を同時に注文

    リトラクターは部品足らず

    次回追加で発注 御蔵入り

    教えてくれたらいいのに

    それとこれ

    その名もエルド装置

    何の変哲もない棒に見えますが

    ボタンを押すと

    刃が飛び出して糸を引き込む特殊装置になります

    何に使うかと言うと犬の食道カテーテルの設置に用います

    以前に外科専門誌で紹介されていたのですが、検索かけても出てこず、今回見つけたので購入してみました

    食道カテーテルというと猫の設置例が多く

    犬でも食道中央部に設置した方が合併症が少ないのですが

    中央部まで届く器具がないので

    犬は胃ろうか咽頭造ろう術が選択されている状況です

    胃ろうは漏出や自己抜去のリスクがありますし

    咽頭造ろう術は設置場所に解剖学的に構造物も多いですし、加齢や呼吸器疾患による喉頭の変位 短頭種等ではそもそも口腔内のスペースがないなどで適応が限られる事が多いです

    設置法は猫と変わりません

    ご興味のある方はご連絡ください

     

     

     

     

     

     

  • 食道カテーテル 我思う

    2020.9.5 | 院長ブログ | comment:0

    今日のお昼は内視鏡と食道カテーテル設置でした

    内視鏡はまあいいとして

    食道カテーテルについて

    今日は写真撮り忘れてNO IMAGEですが

    食道カテーテルとは首から食道にカテーテルを設置して給餌する胃ろうの食道版

    メリットは設置が簡単な事、万が一ぶっこ抜いても合併症が起きにくい

    胃ろうチューブだと穴が安定するまで2週間は必要で万一抜いたら腹膜炎など重篤な合併症がおきてきます

    当院では給餌が大変そうな症例 長期的給餌が必要な症例にはさっさと入れる様にしていますが

    これがまた中々飼い主さんが同意しない(今日の飼い主さんじゃないよ)

    設置しても動物はあまり気にしないことが多いのですが

    見た目が可哀そうらしい

    それに

    「そこまでして延命しても、本人が望まない」

    ともよく言われます

    けどさ、これってメシがとにかく食いたくないだけで、死にたいとはこれっぽっちも思ってないんじゃないの?

    投薬もできるし、お互いストレスもなくなるし ご飯も食べれし

    薬が効くまでとにかく体力を維持しないといけない病気もあるわけで

    突き詰めていくと

    見た目が可哀そうな状態を見る自分が可哀そう

    という動物じゃなくて飼い主の心のありようの問題だったりします

    こういう事いう俺ってなんてゲスなんだとも思ったりしますが

    仕方ありません

    必要な時はさっさと入れましょう

     

     

     

東岸和田動物病院

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