今日のお昼は1.8キロのワンちゃんの麻薬を使った新しい麻酔法を使った避妊手術でした
当院では希望者には麻薬を使った新しい麻酔法を実施しています
今回の場合は吸入麻酔の濃度が最終的には1.6%程度で維持できました
エッヘン!!<(`^´)>
まあこんな事言われても分かんないですよね
説明すると、一般的に避妊手術の痛みは中~重度の痛みと言われていて
麻薬を使わない鎮痛法と吸入麻酔薬の併用では大体2.7%~3%くらいの麻酔濃度が必要です
吸入麻酔薬は鎮静、つまり眠らせる作用は強いのですが鎮痛作用(痛みを抑える作用)が弱いのでより多量の麻酔濃度が必要になります
吸入麻酔薬には用量依存性に心血管抑制(心拍出量を低下させ血圧を下げる)と呼吸抑制(呼吸数を減らし、一回換気量を減らす)作用があるので問題が起こってきます
ここまでいいですか?
でも1.6%ってどんなもんなん?というお言葉にお答えして
吸入麻酔薬の強さを表す言葉でMAC(最小肺胞濃度)という言葉があるのですが
これは皮膚切開などの最大侵襲に対して50%の動物が反応を示さない1気圧での濃度の事をいい
吸入麻酔薬のMACは犬で約1.3%です
まあ要するに普通に寝てるのに毛が生えたくらいの濃度です
道端で酔っぱらって頭から血流してるオッちゃんとかより全然安心ということです
厳密に言うと違うけど・・・
しかしあれ、時々見かけるけど、10人のうち5人くらいは血が出た時点で目覚まして帰ったりするんですかね?
それだと1MACだなあ~とか思ったりするのは職業病でしょうか?
今までの麻酔法でも悪くないし出来るけど、新しい方がなお良い
そう思います