こんにちは
当院にある機械で便利なのに中々日の目を見ない
温熱療法器のご紹介です
温熱療法とは腫瘍が正常細胞に比べて熱に弱い事を利用して42度以上の熱を加える事のよって腫瘍を叩く療法です
今回、35キロの秋田犬の口腔内悪性挙動腫瘍に対する温熱療法を実施しました
《術前》
こうやってみると余り大きくないように見えますが、歯の裏側まで浸潤しており年齢、犬種から悪性腫瘍を疑い、温熱療法による治療と病理検査のための採材を実施しました
《施術中》
この治療の良い所はほとんど出血せず、日帰りで実施できる事です
《施術直後》
出血なく無事日帰りに、一般的な顎切除では入院下での消毒、給餌が必要ですがこの場合は必要ありません
《施術1週間後》
軟部組織の腫瘍はほとんど消滅しています、見た目は痛々しいですが感染、出血はありません
病理検査で悪性の挙動をとる棘細胞性エプリスという腫瘍との診断が下ったので
顎骨の部分切除を伴う拡大切除を実施しました
こんな感じです
軟組織はあらかた消失しているのでほとんど出血せず、抜歯、顎骨の部分切除後に縫合を実施しました
もちろん日帰りです
現在、術後約11カ月
再発なしです
先日ワクチン、フィラリア予防で元気な姿を見せてくれました
温熱療法にはこういう使い方もあります
二度の麻酔が必要な点は煩雑ですが、それぞれの麻酔時間は約30分 1時間と短くすむ事
手術にともなうリスクが少なくなること
治療と診断を兼ねた施術になること
温熱を加えた周囲の血管の血流が熱を逃がすので血管自体には障害を与えにくく、出血が少ないなど多くの利点があります
入院が難しい子などにもメリットがあります
ご興味のある方は来院の上、ご説明いたします