院長ブログ

  • 口腔内腫瘍に対する温熱療法

    2014.7.8 | 温熱療法(焼烙処置), 院長ブログ | comments:2

    こんにちは

    当院にある機械で便利なのに中々日の目を見ない

    温熱療法器のご紹介です

    温熱療法とは腫瘍が正常細胞に比べて熱に弱い事を利用して42度以上の熱を加える事のよって腫瘍を叩く療法です

    今回、35キロの秋田犬の口腔内悪性挙動腫瘍に対する温熱療法を実施しました

    《術前》

    DSC00217

    こうやってみると余り大きくないように見えますが、歯の裏側まで浸潤しており年齢、犬種から悪性腫瘍を疑い、温熱療法による治療と病理検査のための採材を実施しました

    《施術中

    DSC00218

    この治療の良い所はほとんど出血せず、日帰りで実施できる事です

    《施術直後》

    DSC00219

    出血なく無事日帰りに、一般的な顎切除では入院下での消毒、給餌が必要ですがこの場合は必要ありません

     

    《施術1週間後》

    DSC00232

    軟部組織の腫瘍はほとんど消滅しています、見た目は痛々しいですが感染、出血はありません

    病理検査で悪性の挙動をとる棘細胞性エプリスという腫瘍との診断が下ったので

    顎骨の部分切除を伴う拡大切除を実施しました

    DSC00233

    こんな感じです

    軟組織はあらかた消失しているのでほとんど出血せず、抜歯、顎骨の部分切除後に縫合を実施しました

    もちろん日帰りです

    現在、術後約11カ月

    再発なしです

    先日ワクチン、フィラリア予防で元気な姿を見せてくれました

    温熱療法にはこういう使い方もあります

    二度の麻酔が必要な点は煩雑ですが、それぞれの麻酔時間は約30分 1時間と短くすむ事

    手術にともなうリスクが少なくなること

    治療と診断を兼ねた施術になること

    温熱を加えた周囲の血管の血流が熱を逃がすので血管自体には障害を与えにくく、出血が少ないなど多くの利点があります

    入院が難しい子などにもメリットがあります

    ご興味のある方は来院の上、ご説明いたします

     

     

     

     

     

     

  • 腫瘍焼烙処置

    2014.2.17 | 温熱療法(焼烙処置), 症例のご紹介 | comment:0

    準備中

    しばらくお待ちください

  • 指間の腫瘍、患肢温存

    2013.9.28 | 温熱療法(焼烙処置), 院長ブログ | comments:7

    ガン温熱療法を実施、治療完了しました

    ガン温熱療法とは、ガン細胞が42度以上の温度に弱い事や腫瘍内部の血管が熱によって拡

    張せず、熱を逃がしにくい構造になっている事を利用して、腫瘍を熱で治療する治療法で

    腫瘍細胞に熱を加えることにより産生されるHSP(ヒートショックプロテイン)が免疫を刺激することもできます

    当院の動物専用の温熱療法器、AMTC200にて今回治療した指間の5センチ大の腫瘍の治療を、飼い主様の了承を得て掲載します(グロテスクな画像も含まれますので見たくない方はあしからず

    https://www.higashi-kishiwada-ah.com/wp-content/uploads/DSC00154.jpg

     

    指の間の5センチの腫瘍です、ガンの治療の第一選択は外科療法ですが、この場合腫瘍切除後、縫うことが出来ないため、外科治療するには左右の指を断指(歩けなくなる可能性があります)するか、断脚するしかありません

    そこで今回、オーナー様と相談の上、腫瘍をブロック(ある程度の塊でないと悪性度はわかりにくい)で切除しつつ病理検査に出し、その結果によっては拡大切除するとの事で温熱治療を実施しました

    https://www.higashi-kishiwada-ah.com/wp-content/uploads/DSC00157.jpg

     

    腫瘍の切り出しの後、腫瘍に針を刺して1ク―ル10分を三回、計30分の焼烙を実施しました

    https://www.higashi-kishiwada-ah.com/wp-content/uploads/DSC00159.jpg

    翌日

    https://www.higashi-kishiwada-ah.com/wp-content/uploads/DSC00163.jpg

    3日目、腫瘍組織が大分、壊死してきています

    漿液がかなりでていますが、食欲元気は良好です

    https://www.higashi-kishiwada-ah.com/wp-content/uploads/DSC00171.jpg

    1週間目、漿液が出なくなり、壊死の進行も止まりました

    https://www.higashi-kishiwada-ah.com/wp-content/uploads/DSC002001.jpg

    2週間目、皮膚の治癒が進行しています

    https://www.higashi-kishiwada-ah.com/wp-content/uploads/DSC00228.jpg

     

    24日目、完治しました

    この治療は治癒するまでに外科手術に比べ、手間や時間がかかる事、腫瘍の種類によっては使用できないこともありますが、短時間(1クール10分)で済むことや外科的に取りきれない場所に使える事、足の温存ができるなど多くのメリットもあります

    とくに局所腫瘍(体表部、足、口腔腫瘍)に効果があると思われます

    ずるいですが、足先など、取りきれない腫瘍は、一部病理に送って温熱治療器で治療し、悪性度が高ければ拡大切除、そうでもなければこのまま癒合させる、そういう二段構えで備えられるのは大きなメリットと思われます

    適応かどうかは見てみないと分かりませんので、一度御来院の上ご相談ください

    また、他の症例についてはAMTC200と検索して頂けると色々出てきます

    参考にどうぞ(ショッキングな画像も多いですが

     

東岸和田動物病院

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