院長ブログ

肛門腫瘍 両側腹腔内陰睾腫瘍 ダブルキャンサー

2018.4.21 | 院長ブログ | comment:0

両側の腹腔内陰睾摘出 肛門腫瘍摘出を実施した子の抜糸がありました

陰睾とは正常なら袋の下りてくるはずの精巣が降りて来ず皮下あるいは腹腔内に留まる事を言います

この子は両側が腹腔内にあり、なおかつ肛門腫瘍もあったので開腹術と腫瘍摘出術の両方が必要で、近所の大きい病院2件回って断られてうちへ手術となりました

陰睾は通常通り、肛門腫瘍は大きくて肛門括約筋の3分の1と肛門腺の同時切除が必要でした

術前写真

 術後写真

肛門括約筋は3分の1までは切除出来ると言われていて、2~3日失禁したそうですが抜糸時には回復していました

摘出した精巣

精巣は両方ともセミノーマという腫瘍、肛門は肛門周囲腺腫という腫瘍でした

さて、肛門と精巣どちらが悪性でしょうか?

たぶん肛門の方を悪性と思われる方が多いと思いますが

答えは精巣が悪性、肛門の腫瘍は良性です(見た目、症状は痛々しいですが・・・)

陰睾は4~10歳で60%が腫瘍化すると言われていて、精巣腫瘍の10~15%が転移を起こすと言われています

特に腹腔内や皮下の陰睾では術後の転移確率が高くなるため 術後の抗がん剤が推奨されます

また肛門周囲腺腫も性ホルモン依存性です

つまり去勢をすればこれらの腫瘍は防げます

去勢しましょう

本日オチはなし

マジです

 

 

 

 

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