院長ブログ

  • 今日は歯科処置(残根 口鼻瘻、フラップ処置)

    2017.9.1 | 院長ブログ | comment:0

    今日のお昼は歯科処置でした

    歯科処置は最近力を入れており

    今回の子は4月に他院で全身麻酔下でのスケーリング受けたのですが当院でもう一度詳しく検査して欲しいとの事でした

    見た目はこんな感じ

    そんなに悪くない

    でも

    レントゲン撮ったら

    下顎が溶けて骨折寸前

    こうなると普通に抜歯すると骨折します

    まずこれがアウト

    ここも下顎が折れかけてる

    ヤバいです

    慎重な処置が必要です

    上の犬歯は

    レントゲン撮ったら

    犬歯の周りの骨が溶け

    写真じゃわかりづらいけど注水試験を実施すると、犬歯の横から鼻に水が抜け

    鼻と口が抜けてしまう口鼻瘻

    これもアウト

    処置した獣医いわく

    「抜いたら舌が出るから」

    そんな場合じゃないです

    だって抜いて塞いであげないと、食べ物や水が鼻に入ってくしゃみし続けるから

    これは抜くしかありません

    ついでに白い棒の先の二本の弾丸みたいの

    うちでやったんじゃないんで分からないんですが、抜歯した時に歯が折れて残してしまったらしく歯根が残根している

    元々、歯周病で根っこが腐ってるから抜歯するんであって上の歯冠だけ取っても意味なし

    こういうのは全部レントゲンを撮らないと確認できません

    結局、四本犬歯抜歯して、4か所に空いた穴を頬の粘膜を持って来てフラップ処置して

    レントゲンを撮りながら残根の位置を特定して歯肉を切開して残根抜歯というとてつもなく大変な処置になってしまいました

    分かんないと思うけどちゃんと抜いてます

    たかが歯、されど歯

    顎が折れたらえらい事です

    ちゃんとやらないといけません

    まあでもこうなる前に処置するのが理想なんですけどね

    あっ後言っておきたいのは本当の意味での歯科処置って言うのは歯茎の下の処置をキチンとする事

    決して見た目を良くする事ではありません

    無麻酔スケーリングなんてもっての他

    早目に見せて下さい

     

     

     

  • 胆嚢セミナー IN TOKYO

    2017.8.31 | 院長ブログ | comment:0

    昨日は休診

    午後から弾丸で東京へ出立

    胆嚢セミナーに出席してきました

    内容は胆嚢に貯留する胆泥について

    言ってみれば取るのか取らないのか

    内科の獣医、病理屋、外科の視点から見てみるといったもの

    まだまだ良く分かっていない分野なので

    一応の摘出の基準のコンセンサスはできたものの

    結局、結論はでず

    はっきり分かったのは、他の術者と比べて、自分の手術が結構良い線いってるんじゃないかって事

    何にせよ、そのまま弾丸で帰阪

    死にますわ

    でも勉強はしとかないと

    勉強しない獣医は古いパソコンと同じ

    見た目は同じで

    ネットくらいには使えるけど、いざという時使えない

    まあ、そうならないよう頑張ります

     

     

  • マダニは触っちゃいけません

    2017.8.29 | 院長ブログ | comment:0

    皆さん、ノミ予防、ダニ予防してますか?

    突然ですが、僕の感じでは今年は外部寄生虫の発生が非常に多い

    まあ、ついたら皆さん泡食って抱きかかえて連れてくるわけなんですが

    それ、危険です

    最近、マダニに関しては重症熱性血小板減少症(SFTS)との関連が指摘されており

    犬や猫についたマダニを介しての感染が推測されています

    死亡率は30%

    治療方法は分かっておらず

    コレラの致死率が治療時で1~2%

    お隣韓国で騒動になった中東呼吸器症候群で40~50%と言われているので

    結構お高いです

    もしついてしまったら

    手で無理に取るとダニは口からセメントを出して皮膚にくっついていますので頭だけがとれてしまいますので

    写真のダニ取り用のピンセットでとります

    そっと連れて来てください

    あっ、あとノミダ二は予防が一番です、まず薬での予防を徹底しましょう

     

  • 漏斗胸

    2017.8.23 | 院長ブログ | comments:2

    漏斗胸の手術を2年前に実施した子が久しぶりに検診に来てくれました

    漏斗胸、御存じない方が多いと思います

    仔猫でこんな子いませんか?

     

    これ、漏斗胸といってレントゲンで見ると

    こんな感じ、胸郭が潰れてしまっています

    この疾患、軽い子はそのまま大きくなりますが、症状の重い子は死に至ります

    またこの疾患は、呼吸が出来ないために死ぬ病気と思われていますが、私見では、この疾患は胸郭の動揺によって消耗する事と胸郭が動揺する事で嚥下が出来ない事による消耗性疾患だと思っています

    爺獣医のタワゴトで1キロになったら手術できる、なんて言われる事が多いのですが

    それ、たぶん嘘です

    1キロなんて増えないから

    なぜなら、10何年前、新卒だった自分が、そう言われて、信じて、3カ月不眠不休で4時間おきにカテーテルで一日量の3倍食べさせたけど増えなかったから

    当時、24時間電話対応もしてたので死ぬかと思った・・・

    技術、根性、知識、あらゆる物が未熟でした

    ちなみにこの子は800gで手術に踏みきりました

    10年、この病気について考え続けた上でのリベンジでした

    おそらくこの病気、いつか、どこかの段階でリスクを冒して麻酔をかけて手術をしないと助からない病気です

    根本的な理由は分かりませんが、別件で内蔵の生検をしたのですが、病理学的変化、内蔵の変位など多く、おそらく遺伝的素因も含めた多因士疾患なんだと思います

    手術は色々あるのですが

    肋骨に、X線透視下で心臓の横に糸を掛けて引っ張って固定します

     

     

    これで成長を待ちます

    食欲不振の子も固定するとモリモリ食べる様になるのが不思議

    ちなみにこの子は今現在3.5キロ

    胸郭の動揺は見られなくなりました

    あまり情報のない分野ですので難しい症例ですが、少しだけ経験があります

    御相談ください

     

     

     

  • 乳歯残ってませんか?

    2017.8.20 | 院長ブログ | comment:0

    今日のお昼はワンちゃんの避妊手術と乳犬歯の抜歯でした

    ところで、おうちのワンちゃんのお口に乳歯は残っていませんか?

    真ん中の大きい永久歯の犬歯の後ろに写っているフック船長の手みたいなのが乳歯の犬歯です

    歯根までかなりしっかり残っています

    人の場合、乳歯が抜けてから永久歯が生えてきますが、犬の場合、永久歯と乳歯が共存する期間があるため、乳歯が抜けないような事があると永久歯の邪魔をして歯並びが悪くなったり、歯石が貯まりやすくなります

    そのため遺残乳歯は抜歯の適応となります

    ちなみに犬歯の場合共存する期間は1~2週と言われ、この子のように乳歯と犬歯が同じ高さにまでなった子は、もう自然には抜けないようです

    また、ある程度若い個体で歯髄が開いている(歯科用レントゲンでの確認が必要)な個体に関してはある程度の歯列矯正が可能となります

    この子も歯根までしっかり綺麗に抜けています

    乳歯抜くだけでしょ!?と思われると思いますが、歯根の吸収具合によっては歯根が脆くなってしまうため、結構難しくなります

    当院では歯根膜剥離チップと歯科用エレベーターで丁寧に抜歯し、レントゲンでの確認を実施しております

    避妊去勢と同時に実施されることが多いのですが、避妊去勢は避妊去勢、歯科は歯科

    また別物です

    残っている子は抜いてあげましょう

     

     

     

     

  • 犬猫用簡易血糖値測定器導入しました

    2017.8.11 | 院長ブログ | comment:0

    犬猫用簡易血糖値測定器購入しました

     今までも人用のはあったのですが、犬猫とでは赤血球と血漿中に含まれるグルコースの分布比の違いため正確な測定が困難でした

    また、採血のために微量とは言え血をとるので貧血ぎみの子達には負担が大きかったのですが、この装置はかなりの微量で測定が可能かつ、簡単に測定できるので入院下でのインスリンの量を決めるのが困難な子にもちょっと練習してもらえれば自宅でも測定可能になりそうです

    ついでに値段も驚くほどの価格にはならなそうです

    いちどお試しを

     

  • 歯科処置に口腔内レントゲン撮影は必須です

    2017.8.6 | 院長ブログ | comment:0

    今日は猫ちゃんの難治性口内炎の治療のため全臼歯抜歯の予定でした

    猫ちゃんの口内炎はよくある病気で

    腎不全や白血病、猫エイズ等の基礎疾患から来る事も多く、抗生物質やステロイドなど内科的に見てしまう事も多いのですが、最終的に多くの場合、抜歯が必要となります

    その場合、臼歯のみの抜歯で60% 犬歯も含めた全顎抜歯では80%の改善率と言われています

    またステロイドなどの対症療法で経過を見てしまうと、歯が歯槽骨と骨性癒着をおこしてしまい抜歯が非情に困難になる事が多いので注意が必要です

    さて今回の子は3歳であまり年齢が言っていないのですが、今後の事と麻酔時間の負担を考えてまず全臼歯抜歯の実施となりました

    が!!

    通常うちの場合は歯科処置の場合、歯槽骨の具合や歯周ポケットの具合を見るためにプロ―ビングと言って細い針状のものでポケットの深さを測ったり、口腔内レントゲン検査を実施するのですが

    結果

    歯槽骨が融解して骨髄炎お

    こしてるやんけ!!!

    しょうがないので犬歯も含めた全顎抜歯となりました

    疲れましたわ

    麻酔かける前にはこんなのまずわかりません

    こんな具合に歯科処置は麻酔をかけないとしっかりした事が分からないことが多く、歯科処置をするならレントゲン検査を必須となります

    飼主に伝わらないんで、お金にならないので、やってない病院多いんですけど

    また、抜歯時にきちんと歯が抜けているか、残根の確認にもレントゲンが必要です

    そんなこんなで整形から歯科まで何でも真面目にやっております

    繰り返しますが

    歯科でお困りのかた、歯科用レントゲンは必須です

     

     

     

  • 2.4キロ トイプードル 前腕骨折 ジジちゃんの場合

    2017.8.4 | 院長ブログ | comment:0

    今日は前腕骨折したジジちゃんの検診でした

    ジジちゃんは2カ月前に前足を骨折 今日は検診

    当院では、難度が高いと言われる、トイ種の前腕骨折に対し、ロッキングプレートと言われるプレートとスクリューが一体化するプレートと超音波骨癒合装置を使用する事により、小型犬に多い骨癒合不全を防いでいます

    60日後 抜プレート

    ネジを抜いた所の骨強度が弱くなっているので少しギブスをしてもらい

    ほとんどネジの後も消えてきました

    あと少しだけ運動制限はしてもらいますが、経過良好、もうちょっと頑張ろう

    お大事に

  • ヘリに乗ってきました

    2017.7.20 | 院長ブログ | comment:0

    今日は休診

    今年に入ってみんな頑張ってくれていたので皆で思いきってヘリコプターに乗ってきました

    僕はバブルに乗り遅れたロスジェネ世代、

    ギルガメでジュリアナ東京のお立ち台を呆然と眺めていた元田舎の高校生としては是非乗ってみたかった(良い子は分からなくていい話です)

    バブルアゲイン!!

    そんなわけで LET‘s TAKE OFF

    大阪城を見下ろし

    ハルカスちっちゃ!!

    そんなこんなで帰ってきたら

    気分はコードブルードクターヘリ緊急救命

    なわけないか

    夕食は心斎橋に移動

    恐怖の肉切り男に遭遇!!

    ではなくブラジル料理のシェラスコ食って普通にボーリングしてゲーセン行ってバッティングセンター行って帰ってきました

     おちゃらけてるようだけど、みんな頑張ってたから今日はいいのです

    写真は僕ばかりですが、後ろにみんないます、御安心を

    明日からまた頑張りましょう

     

     

     

  • 学会に参加してきました

    2017.7.8 | 院長ブログ | comment:0

    市内で行われた学会に参加してきました

    内容は歯科、腎不全、呼吸器の内視鏡について

    歯科についてはやっぱり悪くなる前にやらないと駄目だよねって事を再認識

    獣医療って、どうにもならなくなってからやって、俺スゲーみたいな風潮あって

    うちなんかでも他の獣医がビビってしまうようなハイリスクで難しい手術を成功させてきましたが

    やれるって事とやるって事は別の事

    避けられるものをさけないってやっぱアホらしい

    ただし講師の先生は魔法なんてない、正しい事をしたら、あそこに行ったら歯全部抜かれるって言われて周りの患者が寄り付かなくなった仰ってた

    来てくれている方は分かると思いますが、自分自身愛想もよくないし、口もうまくないんでなんだか身につまされションボリ

    まあ治しゃいいんだよねと開き直り

    呼吸器の内視鏡は今まで、CTとるしかないのかな、でも本当はCT撮ってもあんまり分からないんだけどなって思ってた呼吸器疾患について、内視鏡で診断する方法について

    講師自身、「二次診療施設なんで一応CT撮りますが、要らないかも」って仰ってたのが印象的

    もしかしたら診断プロセスが劇的に変化するかも

    うちは最近全て動画で撮影できるようになったので対応可能になりそうです

    帰りは学会特価の道具の購入

    大した額ではないけどちょっと買いすぎました

    どっかの大臣は獣医は儲けちゃ駄目って言いますが

    一日中仕事してるんだから良い道具で、短時間で良い仕事して、少しでもストレスフリーで過ごしたい

    糞道具で時間かけてゴチャゴチャ、リスクを冒して仕事をするのはご免こうむりたい

    そんなこんなで右から左

    獣医は儲かりません

     

東岸和田動物病院

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