院長ブログ

15歳 胆嚢摘出術 麻薬を使ったバランス麻酔

2019.12.3 | 院長ブログ | comment:0

今日は胆管閉塞から胆嚢摘出術を実施した15歳の子の検診がありました

術前から腎不全があり、かなり気を使いましたが術後1週間、数値も落ち着いてきて元気食欲も出てきました

 

こんなのが胆嚢に充満していたらそら閉塞もします

今回は麻薬を用いたバランス麻酔を実施したため術中の循環動態も安定
腎臓の数値も悪化せず、一安心です

昨年から今年にかけて当院では麻薬を用いたバランス麻酔を導入、希望者には避妊去勢にも実施しています

麻酔とは「鎮静と意識の消失」の事を言い

一般に麻酔薬と言うと大きく分けると

①意識の消失させる 鎮静薬

②痛みを消す 鎮痛薬

③不動化させる 筋弛緩薬がありますが

一般に麻酔薬と言われるものには鎮静作用は強いけど鎮痛作用が弱いものや

鎮痛作用は強いけど鎮静作用が弱いものなど長短があります

動物病院でメインで用いられるのはイソフルランというガス麻酔ですが、こいつは

は鎮静作用は強いのですが、鎮痛作用は弱い上、血圧低下作用がある

なのでイソフルラン単独で侵襲性の強い手術をする場合は鎮静作用量(眠るだけ)を超えて鎮痛量(より脳の活動を抑制する量)に合わせて大量に使用する必要があるのですが

副作用として血圧が低下しがちになります(交感神経が抑制されるため)

なので鎮痛薬の麻薬を併用して痛みがゼロになればイソフルランは鎮静作用量(眠るだけの量)ですむので血圧は安定する

そういう仕組みです

例えるなら

アルコールにも麻酔作用がありますが、手術に使わないですよね

寝るくらいの鎮静作用量ならなんか刺激があれば起きるし、反応もするので安心して見てられますが

刺しても、突いても起きなくて頭から血流してる酔っ払いとか

それくらい飲んでしまうと、ちょっと危険っすよね

逆に痛みを全く感じない人がいたら 睡眠薬飲んで寝てる間にコチョコチョ手術して終了なんてこともあり得るわけです

まあそんなわけで

希望者には別途追加料金がかかりますが積極的に実施しております

ご相談下さい

 

東岸和田動物病院

岸和田市土生町2-30-15(イオン近く)

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