院長ブログ

胆嚢炎 胆嚢摘出術 肝生検

2017.9.4 | 院長ブログ | comment:0

今日は胆嚢炎で胆嚢切除、肝生検を実施した子の抜糸を行いました

経過は良好

この子は一度、胆嚢炎を患い、一度内科的に良化したのですが、抗生物質を止めると臨床症状は無症状ながら炎症を表す血液検査指標が跳ね上がってくるので切除しました

術前に胆嚢炎がある子は癒着が強いことが多いので要注意なんですが

見た目はまずまず

ほとんど1滴も出血させず摘出ができました

胆嚢の内容物ですが微小な胆石があり、病理の顕微鏡で細菌感染が認められました

先日、東京で行われた、病理屋、東大の内科の獣医、外科の獣医等が多数集まった胆嚢セミナーでは、手術適応の条件として

①胆泥の重度貯留

②進行性の胆泥貯留と胆嚢拡張

③胆泥症+小肝症

④胆管の拡張

⑤胆石(微小胆石)

⑥胆管閉塞(黄疸)

⑦胆嚢破裂

⑧急性胆嚢炎、胆管炎

ETC・・・

があり、

さらに特筆すべき内容としては内科で引っ張った子の術後の肝数値がなかなか下がらないというデータが出

胆嚢に泥が貯まると肝委縮が起こる事や

やっぱり引っ張った子や閉塞経験がある子は癒着が激しく、手術が極めて難しくなる事は皆感じているようです

必ずしも症状や血液検査の数値で分かるわけではなく、肝疾患のエコーでの検出感度は30%ほどと言われており

全く検査で無症状、元気食欲もある子でも

胆嚢が破れて、腹膜炎からの微量な腹水まで貯まって、こんなになってる子もいます

この子は数週間前に黄疸をきたして、内科的に良化したのですが

結果は、腹膜炎、重度潰瘍性増殖性出血性細菌性胆嚢炎でした

これでも無症状です

胆嚢は解剖学的に胆管系の一部なので、取ってすぐ終わりみたいな単純なものでもないのですが

病的胆嚢は肝臓を静かに蝕みます

分かっていない事も多いのですが

御相談下さい

 

 

 

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