ちょっと悔しい事
新規で来られたかたに
「この病院は一人(獣医)ですか?」
と良く聞かれます
時々無用に侮られて、ムカつきます
でも、本当は大丈夫なんです
何故か?
一般の人には分かりにくいのですが、医療におけるチームってのは軍隊の小隊と同じ
病気を治すのに基本的にチームリーダー(獣医)と兵隊(看護師)の小規模なチームで対応していきます
沢山獣医や看護士がいてもそのつどチーム編成が変わるだけ
自分の医者だって、担当医があって、担当看護婦さんも、どこも決まってるでしょ
うちの強みはいつも同じメンバーのチームで治療にあたれる事
それにつきます
人間の医療でも、たとえば天皇陛下の執刀医のいる順天堂大学医学部心臓外科でも症例の9割以上を天野教授一人できっているそうです。
トップの技量できまる
どこもそんなもん
難しいと言われるオペを一人でこなしていて、すごく思います
まあ、沢山の件数はこなせませんが
あと、肝臓移植なんかは摘出チームと移植チームが分かれるから違うんでしょうが、動物ではそんな手術はしません
ついでに、最近、生活の中で、学生、あるいは子供に
「僕、将来獣医になりたいんです」
と何故か宣言される事が多くなりました
おそらく、子供達に見えている自分の姿が、子供達の獣医に対するイメージ(開業獣医のイメージモデル)になって来てるんでしょう
代診で院長にどやされていた頃はそんな事言ううてくれる子おらんかったもんね
そして、必ずこう聞かれます
「動物が好きだったのですか?」
と
「うん、凄く好きだったよ」
と答えてあげると、キラキラした目で見つめてくるので敢えていいませんが
この話の続き
うん、獣医学部に入ってくる奴は大体、動物が好きって言ってはいってくる
そうやって、入学すればほぼ獣医師免許はとれる
ただし、見返してみて、誤解を恐れずに言えばワンピースよんで涙していたような奴は大体開業してない
動物が好きな事は必要条件ではあっても十分条件ではない
獣医として独り立ちするには長い長い修行が必要で
更に
無医村でもないのに、自分の価値を信じて、ちょっと気の効いた犯罪者なら、人の一人や二人ぶっ殺しかねない金を掛けてテメ―勝手に開業する
サッカーで例えるなら、どんな体勢からでも最後はゴールを割りに行くような
ある種の資質が必要です
開業医は船板一枚下は地獄ですから
自分自身、刺し違える気持ちで診察、手術をやってます
先日、臨時で午前診を休診しましたが
実は祖母が亡くなりまして、結局死に目にもあえず、通夜にも出れず、二時間ばかり会いに金沢まで行っただけ
悲しくて涙が出ましたが
それを選択するのも開業医の自由であり義務なんでしょう
もちろん、勤務医としての生き方を否定しているわけではありません(元同僚なんかが見てるので)
ただ、いつでもケツ捲れる勤務医とは覚悟・技術は違います
飼主の皆さん、一度僕と刺し違えてみませんか?
歓迎いたします