凍結療法は、”組織を超低温で凍結することにより、不要な組織(イボ等)を阻血性壊死により破壊・除去する治療法”です。
治療方法
-89℃の液化亜酸化窒素ガス(N2Oガス)を噴霧できるクリヨペン®-X(H&O Equipments N.V. 社製)を使用し、イボなどの不要な組織に直接噴きかけて瞬間的に凍結させ、体温で溶けたらまた凍結させることを繰り返します。
急速な凍結と緩徐な融解を繰り返すことによって、”不要な組織”を破壊することが目的です。1回の治療でこれを3回繰り返します。1~2週間隔でこの治療を1月に2~4回以上繰り返します。クリヨペンは疾患部位を的確に治療でき、出血が無く無臭で痛みもほとんどない治療なので、麻酔の必要もありません。小児科で子供に使用されるほど一般的な治療です。
治療後の皮膚の変化
一般的に、治療直後は治療部の周囲が赤くなりますが、まもなくその発赤は消えてしまい、翌日には治療部が軽度の水疱になります。照射後3日以内に細胞壊死が明瞭となり、やがて血が混じって赤黒いかさぶたになり、照射後1~2週間で新しい皮膚が再生すると、赤黒かったかさぶたは自然にはがれて、正常な皮膚に戻ります。
適応症例
皮膚の表面に飛び出している小さな腫瘤(できもの)は、ほとんどがこの液体窒素療法で治療可能です。しかし、皮内や皮下(奥のほう)にある腫瘤(できもの)に対しては効果がありません。高齢であったり、全身麻酔下での外科的切除では体への負担やリスクが高い症例でも、凍結療法は全身麻酔の必要がなく有効な治療のひとつです。
①処置前
②クリオペン処置
③7日後
④10日後
①処置前
②4日後
③10日後