院長ブログ

胆嚢粘液嚢腫、脾臓腫瘍同時摘出

2017.3.7 | 院長ブログ | comment:0

胆嚢と脾臓腫瘍の同時摘出のコッカ―さん

無事抜糸いたしました

元々、胆嚢に泥が貯まる胆嚢粘液嚢腫の治療を内科的に管理していましたが

エコー検査で肝臓に過形成、脾臓に腫瘤が見つかったのでリスクはありましたが同時に切除しました

脾臓の腫瘍は三分の二が悪性と言われており、出血しやすい臓器のため摘出以外では悪性良性の区別がつきません

また。胆嚢に泥が貯まる胆泥症やムチン状の物が貯まる胆嚢粘液嚢腫は60%の犬に存在し

①濃縮胆汁による肝障害 ②無症状でも25%の子に破裂所見がある③放っておくと破裂、あるいは胆道閉塞を引き起こして命に関わってくる等、様々な障害を引き起こしますが

通常はゆっくり無症状で肝臓を蝕んでいきます

また、この疾患は多くの症例で

血液検査、CT検査、エコー検査では実際の状況は分からず、最終的には開腹時の肉眼所見、病理所見のみによるのが辛い所ですが、個人的にはやはり摘出あるいは内科治療を実施したほうが良いと思っています

摘出した胆嚢です

この子の胆嚢もムチン状の物質が充満しており、一部破裂所見も存在しており、病理所見としては

胆嚢炎、胆嚢粘液嚢腫と肝臓変性と漏出した胆汁による腹膜炎である肝臓被膜炎でした

年間何例も予防的に切除しているのですが

一例として

他の子の肝臓です

こんな感じ、この子の場合は3週間前に黄疸が出て下痢嘔吐した以外は血液検査、エコー検査全て無症状、臨床症状なしですが

腹膜炎でベッタリ胆嚢に体網が癒着しており

病理所見は重度増殖性、潰瘍性、細菌性、出血性、混合細胞性胆嚢炎で軽度の腹水貯留を伴う肝臓被膜炎、いわゆる腹膜炎でした

人間なら救急車で運ばれて緊急手術もんです

おそろしいのが必ずしも年齢によるとも限らず、この子の場合は三歳でした

つうか、他の獣医の話聞いても、胆泥、胆嚢粘液嚢腫で開けて肝臓生検してまともだったことはない

そういう疾患です

開けてみないとどうなってるか分からないという恐ろしい疾患で、手術に伴うリスクはありますが

個人的にはやるべきだと思っています

どうでしょうか?

御相談下さい、ただし電話相談は受け付けません

あ、あとなんかの手術のついでにやってね、なんて追加のデザート頼むみたいに頼むのも止めましょう

無症状ですが、こいつはメインの結構難しい手術になります

人の場合とは異なります

 

 

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